医師を目指すこと

あなたはなぜ、医師になろうと思ったのでしょうか。
私は世代的に、ある少年漫画の影響が強い時代を過ごしたためと言えるでしょう。この漫画の主人公は、あらゆる病気を手術で治すというスキルがあり、自分の美学に基づきながら、病気から人を救っていく姿に胸を打たれたことがきっかけです。しかし、小中学生の頃は他の仕事にも憧れを抱いていたこともあり、明確に「医師になる」と決めていたわけではありませんでした。その気持ちに変化があったのが高校時代で、自己を犠牲にして人を助ける姿に憧れを感じ、海外の貧しい地域で医療支援をしたいという想いから、医師になりたいという気持ちがつよくなっていきました。当時を振り返ってみると、その気持ちは「何となく素敵」という程度の理解であったとは思います。一方で、地位や給与といった世俗的な「医師」に対するイメージに憧れがあったことも否定できないでしょう。。実際には、医師という職業が世間からどれくらい評価されるかも、どれくらいの収入があるかも知たなかったこともまた否定できません。
周囲の医師に「医師を目指した理由」を聞いてみても、当時の私のような浅い理由で医師を志した人がほとんどでした。私が医学生だった頃、病院実習をしていたときにある先生から「なんで医師になろうと思ったの?」と聞かれ、正直に答えたところ鼻で笑われたことがあります。そこで逆に先生にも同じ質問を返してみると、答えに詰まりながら「親が医師だったので跡を継ぐため」という答えが返ってきてがっかりしたという思い出があります。
私の周りには、医師の仕事の本質や実像、社会情勢を考えてから医師になったという人はいないようで、研修医でも「人助けをしたい」「家族の病気がきっかけ」「ドラマや漫画のかっこいいイメージへの憧れ」「地位や収入の多さ」あたりの理由がほとんどのようです。しかし、最初はどんな理由であっても、大学入学後に医師としての目標が具体的になっていく人が多いため、焦る必要もないでしょう。大学に入れば、大学の医師や部活の先輩から、医師としての具体像をそれなりに教えてもらうことができるでしょう。大学病院で働く医師や、自分の先輩たちの卒後の進路を知るにつれて情報がどんどん増えていきます。そして、自分の性格や能力と照らし合わせて、本当にやりたいことや絶対に譲れないことなどがはっきりしてくるのではないでしょうか。目標というのは明確なほど進むべき道がはっきりと見えるものです。折に触れ、自身の目標を見つめ直す時間も大切なのではないでしょうか。医師の求人広告などにも勤務形態や体験談などが掲載されていることもあるのでさんこうにしてみるのも良いでしょう。